院長ブログ

2026.07.26

ゾンビ映画で学ぶ免疫(自然免疫)

NHK-BSで「ワールドウォーZ」が放映された。NHKの編成がワールドカップのどさくさに紛れて、「ワールドウォーZ」もいけるんじゃない?と潜り込ませたのだろう。おかげで世の中がワールドカップ一色にもかかわらず、私のiPadでは”ワールド”と検索するとその後は”ウォーZ”が続いていた。
「ワールドウォーZ」は一言でいうと”ゾンビ映画”である。もう少し付け足すと制作・主演がブラットピット。
ある日、町の人がゾンビになり人を襲うというパターンに対するリアクションは、どこの国を舞台にしてもそう変わるものではない。このゾンビ映画にある普遍性を私は免疫反応に見た。
それまでの自分が死に、理性を失った状態をゾンビというなら、感染によって健康を失った身体もそれはゾンビと言える。映画の中でゾンビにどのように立ち向かうかを知ることで、身体の免疫を理解できるはずだ。ということで、ゾンビ映画を題材に免疫について書いてみたい。
まずは「ワールドウォーZ」(以下WWZ)のエルサレムのシーンを説明しよう。(youtubeでもワールドウォーZ 映画 エルサレムで出てくるよ)
イスラエル軍が作った壁の内側には、イスラエルとパレスチナ民衆が避難している。ゾンビと言う共通の脅威を前に長年いがみ合ってきた二つの民族に和平が生まれる。それにはしゃいだ人々が感極まって歌いだす。一人また一人と合唱の輪は大きくなって、その歌声に反応したゾンビが壁をよじ登って侵入してくる。
私たちの身体もこのエルサレムの壁のように、皮膚や粘膜で防御されている。壁を越えたゾンビに対して軍が銃をぶっ放すように私たちの身体でもバリアを越えて侵入してきた病原体を白血球やマクロファージが攻撃する。これを自然免疫という。
(イメージ図Gemini作成)

自然免疫の特徴は、ウイルスか?細菌か?種類にかかわらず、侵入されると即座に反応する。なんせWWZでは12秒で感染が成立するもんでね。そして、同じ病原体が何度入って来ても毎回同じような反応しかできない。小さい規模の侵入なら解決できようが、世界=全身を救うとなるともう一つ別の免疫システムを召喚せねばなるまい。WWZの主人公(ブラッドピット)はゾンビ急襲を受け、銃弾が飛び交う中でゾンビの特徴を見つける。病原体の弱点がわかれば自然免疫より有効にそれと戦えるから。このもう一つの免疫システムを獲得免疫という。次回は獲得免疫についてゾンビ映画をもとに書いていきたい。あぁ楽しい。
付け加えだけど、エルサレムで平和に感謝をささげ歌ったことが平和を壊すという皮肉に苦笑いせずにはいられなかった。まあ、実生活でも酒飲んでカラオケ行っていい気になった翌日風邪ひくもんな。