院長ブログ

2021.03.10

スギ舌下免疫療法の効果

 全花粉症患者が震えた」「衝撃の結末!」
ちょっとありがちな映画の宣伝文句で始めてみましたが、
今年の花粉症の時期もピークを迎え、
うちの病院でスギの舌下免疫療法をやっている人の感想が全員ぶんが聞けたので
ブログの場を借りて最終報告しようと思います。

スギの舌下免疫療法をやっている人は全部で14人。
舌下免疫治療を始めるきっかけは
「受験の時期に症状がひどいので何とかしたい」や
「毎年薬を何種類も飲まなければならないので、少しでも減らしたい」
というものです。ほとんどの人は昨年のシーズンが終わってから始めました。
昨年は花粉の量が少なく、緊急事態宣言中で外に出られなかったにもかかわらず、
やっぱり症状が重症なので、、、ということで希望された方々です。

4/10で14人全員の意見を聞けました。
まず”よくなった組”
・薬の量はあまり変化がない小学生
「でもこの時期は目も、鼻も肌もぐちゃぐちゃだったのが、落ち着いています」
・鼻詰まりの手術も受けたことがある男性
「いつもの年を10とすると半分以下の症状かな」
その他「いつもの年より楽!」という方が人が7人の合計9名

”とっても良くなった組”の意見は
まあ、抗アレルギー剤を処方しているのですが、
「スギを感じない」が4名でした。
「いつもは毎日飲んでいましたが、
花粉のひどい日だけに頓服で飲んでました」が1人
「スギを感じない」のうち1人は、受診されたのが2/27の土曜日の14時半ごろで
「ところで、今、花粉って飛んでいるんですか?」と私に質問されました。
「土曜日の14時半でまだ80人近くの患者さんの予約が入っているので、
花粉は確実に猛威を振るっています!」と答えましたけど、
この時、椅子から転げ落ちそうになりました。
「全花粉症患者が震えた」はうそではないのです。※あくまでもうちの病院内で

14人の話を聞けて、13人までが効果があったけど、1人は症状が変わらなかったです。
まだ学生で受験を控えているので、なんとかせねばならず、
来年のシーズンでも重症のままだったら
注射治療をやってみようと次の目標を立てました。
この結果ですぐにでも舌下免疫療法をやりたい!と思う方もおられますが、
このスギ舌下免疫療法、開始はスギが飛び終わった6月ごろになります。
症状のない6月から始めて、次のシーズンに備える。というものです。
まるで、冬に向けて食べ物を蓄える話
イソップ童話「ありとキリギリス」のようですね。
ところで、キリギリスは最後に後悔しながら死ぬと思っていたら、
同じ死ぬのでも後悔せず「俺は精一杯バイオリンを弾いた」と死ぬバージョン、
はたまた、キリギリスがクリスマスのコンサートを開く、
そこにアリが食べ物を持ってきてみんな仲良くハッピーで終わる。
といういろいろ結末があるそうな。
どんな結末にしてもそれはキリギリスのほうで、アリは安定しているので、
花粉症の時期に重症な方はいかがでしょうか?