院長ブログ
2026.10.14
パラサイト(ウイルス編)
不正にログインされ、他人があなたのIDを完全に操作することをアカウントの乗っ取りと言う。
人の身体でもウイルスに不正に侵入(つまり感染)されると、ウイルスが細胞を操作する。
つまりウイルスはあなたの細胞を乗っ取る。
前回は寄生虫(マラリアもトキソプラズマも原虫)について書いたが、今回はウイルスについて考えてみた。ウイルスは自身の遺伝情報=核酸(DNAとかRNAとか)とそれを包むカプセルから成る、イメージとしては1個のガチャか。そして、ガチャは工場で作られるが、ウイルスの場合は工場が人の細胞になると思ってもらえばよい。
ウイルスは人の身体に様々な方法で入ってくる。傷口から血液へ、口から腸へ、そして飛沫になって気管になどと言ったように。そして次に繁殖したい細胞にたどり着く。人の細胞ならどれでもいいというわけではなく、ウイルスにも好みがあるのだ。だからウイルスが子孫繁栄するには、どこで生息してどこで繁殖するかが効率的であったほうが断然よい。腸に行きたいのに、蚊に移動をお願いするようなウイルスは間抜けだ。
あるウイルスは哺乳類の神経細胞が大好きだ。人の身体に入ると細い神経に沿って脳に到達し、大好きな神経細胞に囲まれてせっせと繁殖する。しかし神経細胞にも限りがあるから、どうにかして別の神経に増えた仲間(と言うか同じ遺伝子なので自分自身)は移住しなければならない。脳の中にいる間は移れないので増えた仲間は次の移住先のために唾液に出てくる。唾液から他に移るには?唾液を垂れ流し、ほ乳類を咬めばよい!ということで、新しい傷口から侵入し、また神経細胞へ乗っ取りが始まる。
このウイルスは”狂犬病ウイルス”だ。
傷口から入り、正常な神経細胞を乗っ取り増え、移住するために咬むという行動を起こさせる、狂犬病ウイルスの知性に感心しないか!?
次に鼻やのどの粘膜細胞が大好きで、1個のウイルスからたった一日で100万個に増え、増えたら咳やたんに紛れてまた他の鼻やのどに到達する。1日で100万個にピンとこない人は、マヨネーズ工場の卵割り速度をYoutubeで見て欲しい。それより速いから。非常に効率的なこのウイルスは何だろう?答えはインフルエンザウイルス(以下インフルエンザ)である。
次に鼻やのどの粘膜細胞が大好きで、1個のウイルスからたった一日で100万個に増え、増えたら咳やたんに紛れてまた他の鼻やのどに到達する。1日で100万個にピンとこない人は、マヨネーズ工場の卵割り速度をYoutubeで見て欲しい。それより速いから。非常に効率的なこのウイルスは何だろう?答えはインフルエンザウイルス(以下インフルエンザ)である。
天然痘やポリオウイルスはほぼ撲滅した。それは人の知恵の結晶であるワクチンと人に感染するしかないウイルスの性格によるものだ。鳥にも豚にも感染すインフルエンザでは、野鳥を捕まえて片っ端からワクチンを打つわけにはいかないので、世界からインフルエンザは無くならない。この駆逐の難しさに加え、インフルエンザはすぐ変異するので、毎年装いを変える季節性インフルエンザに医療者も科学者も苦虫を嚙みつぶしたような気持にさせられている。
インフルエンザの立場としては毎年同じ装いで人の免疫に会うと、袋叩きに遭ってしまうので、シーズンごとのトレンドに全力で変異をする。
その年のコレクションの発表はパリではなく南半球で行われ、そこで流行した型を参考に北半球でのワクチンが開発される。しかしやつらは免疫の裏をかくように変異を続け、北半球に到達する頃には微妙にモードが変わっていることも多い。
秋に新作お披露目の準備完了し、そしてついに寒い冬に颯爽と北半球のランウェイを歩くのだ。あれ? 今年は流行を読み違えたぞ!と、いうこともあり毎年効果は一定ではない。そんなときはドヤ顔で大流行のステージというわけだ。
今年はモードは当たってたみたいだけど、準備前にランウェイを歩いてしまった感じかな。とはいえ、春になれば記憶細胞というクローゼットにしまわれるのだけど。
ウイルスには心はない。彼らは何も考えていないのに狂犬病ウイルスは感染者の行動を変え、インフルエンザは免疫のスキを突く。何億と続いた生命の仕組みは、私にはとても知的に思える。そしてウイルスは何のためにあるのか?不思議でならない。
その年のコレクションの発表はパリではなく南半球で行われ、そこで流行した型を参考に北半球でのワクチンが開発される。しかしやつらは免疫の裏をかくように変異を続け、北半球に到達する頃には微妙にモードが変わっていることも多い。
秋に新作お披露目の準備完了し、そしてついに寒い冬に颯爽と北半球のランウェイを歩くのだ。あれ? 今年は流行を読み違えたぞ!と、いうこともあり毎年効果は一定ではない。そんなときはドヤ顔で大流行のステージというわけだ。
今年はモードは当たってたみたいだけど、準備前にランウェイを歩いてしまった感じかな。とはいえ、春になれば記憶細胞というクローゼットにしまわれるのだけど。
ウイルスには心はない。彼らは何も考えていないのに狂犬病ウイルスは感染者の行動を変え、インフルエンザは免疫のスキを突く。何億と続いた生命の仕組みは、私にはとても知的に思える。そしてウイルスは何のためにあるのか?不思議でならない。