院長ブログ

2019.10.02

なぜ本番でしくじるのか

数日後に水泳の記録会を控えていた50歳の私にとって、
鍛えられることができるのはメンタルくらい!?ということでこの本を読んでみた。
なぜ本番でしくじってしまうのか?これを試験でしくじる(特に数学のテスト)と
スポーツの勝負所でしくじる。に分けて心理学的に分析している本です。
まず試験で失敗するのはワーキングメモリーが多い優秀な人。
ワーキングメモリーとは?「同時に別のことをしながら情報を脳に留めておく能力にかかわる」とある。
イメージとしては、洗濯物をたたみながら、
「これから買い物して、子供迎えに行って、それから病院行こうか」と考えている時に働いていて、
病院についたら受給者証忘れていたことに気が付いた!
なんて時にはメモリーが一杯だったと気が付くような感じでしょうか。
ですから、ワーキングメモリーが大きい学生は優秀ということになるのですが、
本番で失敗するのはこの優秀な学生が多いとのこと、
ワーキングメモリが大きいと、試験前にいろいろ考えてしまって本来のメモリーが埋まってしまい、
一方ワーキングメモリーの小さい学生は特に緊張もしないので、そのままの実力が出やすいそうな。
そりゃそうだろう。
偏見も失敗の原因になるらしい。
「女の子って数学が男の子よりできないんだって」や「黒人は白人に比べて成績が悪い」
ということを試験前に意識させるだけで、点数が下がるそう。
各国の数学の成績はその国の男女が平等であればあるほど、成績の差はないそう。
私には姪が一人いてまだ小学生ですが、「算数得意そうな感じだよ~」と
会うたびに盛り上げなければと決心しました。
なんだかんだ理系の世界は男性が多く、女性にとってはブルーオーシャンなはずですから。
逆張りを行って欲しいです。

さて、スポーツの技術が上達するということは、考えて動いていたことが無意識でできる様になることで
勝負どころの前に考える=ワーキングメモリーを動かしてしまうと失敗の確率が上がるらしい。
この心理を利用して、アメフトでは勝負どころのフィールドゴールの前にタイムをとることを戦略としている。
今、ワールドカップラクビーでニュージーランドが試合前に”ハカ”を行っているが、
あれなんか、相手チームにいろいろ考えさせる時間を与えている様なものなので、
対戦国もハカ的なことをやるとか、いっそ禁止にしてしまうと、
オールブラックスも弱くなるかもしれませんな。