院長ブログ

2017.07.16

ツバメの子育て

うちの隣のツバメの若夫婦にも子供が生まれました。

巣の縁に止まるようになったなあと見ていたら、中でかわいい声が聞こえてきました。

それが先週末くらいで、1週間たった今ではエレベーターで階に降りるたびに

餌が来たと思って、口を開けてくれます。

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ツバメの世界にはワンオペ育児はありえないようです。

もっと小さい時は、片方は必ず子供を見ていて交代交代に餌を与えていました。

2から3週間で成人するツバメはその期間、つがいで集中的に子育てをするという戦略ですが

霊長類は人間に近いチンパンジーで5年。でも5年間は次の子供は生まれません。

人間は授乳期さえ終れば妊娠でき、つまり毎年子供を産めるということなので、

母親が生んだ子供を育てるシステムにはなっていない。ということだそうです。

何万年も続いてきて 原始の生活がうかがい知れる裸族の世界では子供は兄弟や親戚が育てています。

15年くらいで成人するホモサピエンス。それが男性だけでも”35億”に増えた理由、

多くのヒト族からホモサピエンスだけが増えた理由の一つは、

ツバメみたいに親に任せる子育て戦略を取らなかったというのが研究者の意見です。

さて、そのツバメ、夫婦でのんびり子育てともいかないようで、

飛び回って巣を乗っ取ろうとする他のツバメに気が立って攻撃しています。

子育てをするときはオキシトシン=通称”きずな”ホルモン。が分泌され

それが子供に深い愛情を感じる科学的な理由なのですが、

オキシトシンは子供に深い愛情を感じる一方、

子育てに有害と思われるものには異常に攻撃性が増すことが証明されています。

他の鳥を追い立てる母ツバメはオキシトシンが出まくっているのでしょう。

でもカメラを構えている私には攻撃してきませんが。。。

新しいお父さん、人間もツバメもオキシトシンでの攻撃が自身に向かないように祈るばかりです。