院長ブログ

2019.09.11

「今1個もらう?それとも後で2個もらう?」

意志力、自制心を見るためにスタンフォード大学で園児を対象に行われた心理テストは
使われたお菓子にちなんで”マシュマロテスト”と呼ばれている。
まだ学校に上がらない園児に食べたいお菓子を選ばせ、
「ちょっと用事があるから待ってて、待てたらもう1個お菓子をあげる」と説明し、しばらく園児だけにする。
説明より、まあ検索で”マシュマロテスト”(英語ならmarshmallow test)と入れて動画を見てみてください。
マシュマロを食べないために、見ないようにする、遠ざける、鼻歌で紛らわす。などなど
園児たちの苦悩に満ちた表情は悶絶するかわいさですよ。

脳には欲求や感情を担当する場所=ホットシステムと、論理的に考える場所=クールシステムがある。
欲求や感情を抑えて、利益を得るために園児がクールシステムを使えるかがこの実験です。
とっさに湧きおこる衝動を抑えるクールシステムの強さは、お菓子2個目をもたらすだけではなく、
学生時代にはテスト勉強のために、友達からの誘惑やゲームをしたい衝動に抗い、
大人になってからは、タバコやダイエット中ならケーキ、
もっと例をあげるなら、家庭を壊しかねない浮気の誘惑、
果ては最近話題のあおり運転したくなる怒りを抑えてくれる。
興味深かったのは他人とのかかわりにも、このクールシステムが生かされる傾向があり、
クールシステムが強い子は人間関係で失敗しても立ち直りやすいという。

本書の実験結果、園児からの50年の経過をそのまま書くと
マシュマロを食べてしまった待てなかった園児たちの傾向は、
いじめられやすく、学校の成績は悪い。
大人になって年収は低く、貯金も少ない。
待てた子に比べて高いのは喫煙率や肥満率、離婚率に犯罪率。。。
だけどこの本は、家で我が子にやってみたら全く待てないから将来を悲観する!
そんなために書かれたのではない。
自制心を育むこと、待てなかった園児を待てる子に育んでいくために
何が助けになるのかを研究した話だ。
自制心は「我慢しなさい」では決して育まれないそうだ。
詳しく知りたいかは「マシュマロテスト」(ウォルター・ミシェル)をどうぞ。