院長ブログ

2022.05.08

友達について

Twitterが自分の仲間とだけやり取りできる新機能、Twitterサークルを発表した。
それによると1つのサークルでは150人までメンバーを追加でき、メンバーはいつでも編集可能で、これは気を許せる相手だけに安心してツイートを楽しむため、ということだった。
私がこのニュースに注目したのは私がTwitterのヘビーユーザーで、
表と裏アカウントとを常に行き来しているからでは断じてない!
1つのサークルの数が150人という数字がダンパー数からきているのでは?と思ったからだ。

ダンパー数の生みの親ロビンダンパーの興味は”社会の進化”を知ることだった。
それを知る手掛かりは野生動物にある!と考え、サルやヤギの野生動物を観察した。
すると、哺乳類の中でも特に霊長類の”毛づくろい”それも異様に長い”毛づくろい”の時間に俄然興味がわいた。
霊長類にとっての”毛づくろい”は体をきれいにする目的だけでなく、社交の意味もある。
毛づくろいの時間は体の大きさに関係は無く、群れの大きさに関係していた。
そこで、群れの大きさとは即ち、その大きさを維持するための社会的な脳の大きさ(特に前頭葉)と考え、では人間の脳の大きさならどれくらいが群れの数になるのかと計算した結果が148人で四捨五入して150人。脳の大きさから、気兼ねなく交流できる、つまり友達と呼べる人の数はせいぜい150人なのだそうだ。
話はそれるが、この脳の大きさと群れの大きさがはっきりと相関するのは霊長類だけらしい。
鳥類では脳の大きさは結婚の形態に関係があって、生涯添い遂げる一夫一妻の方が、
繁殖期のたびに相手を変える種やハーレムを作る種よりも脳が大きい。
たった一人(一羽)と添い遂げる方が、誰とでもやたくさんと仲良くするより社会的な脳を作るとはなんともである。
宮前町のごみ置き場を最近荒らす一羽のカラスを苦々しく思っていたので調べたら、カラスは一夫一妻でした。う~ん、手ごわいな。。。
150人は数字であって、少ないから多いからどうこうという意味ではない。
個人に当てはめると、まず友達の定義は人それぞれで違うし、内向的か外向的かでも数字は変わってくるだろう。
一般的に内向的な人は友達の数が少なく、外向的な人は多い。
それは他人と過ごす時間を内向的な人は少数の人に集中させ、外向的な人は多数の人に配分するからで、そういう意味では他人に振り分けられる時間はあまり変わらないのではないだろうか。
私自身も若いときも含めて、150人もの友達がいたことは無い。

孤独であることは喫煙並み、いやそれ以上に老人の健康を脅かすという。
また、重大な事件の裏にも孤独が見えないだろうか?
ある程度の大人になると新しく友達を作る時間も動機もなくなる。
大切なことは健康に問題が出る前に、つまり若いうちに友達を作っておくことなのだろう。