院長ブログ

2021.08.08

ツバメ2021(赤ちゃん期)

我が家の周りは緑が多く、夜が明けるといろいろな鳥の鳴き声が聞こえてくる。
朝の五時ごろ、まどろみながら私はただ一匹のツバメの鳴き声に耳を合わせている。
聞きなれた私を呼ぶ声がしたなら、それが私の起きる時間だ。

ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきがテキサスで竜巻を引き起こすという言葉から
ほんの些細なことでも、まわりまわって大きな結果になることをバタフライ効果というらしい。
7月初めの長雨は熱海に土石流をもたらしただけでなく、
私に初めての子育てというバタフライ効果をもたらした。
ツバメのヒナを育てるという子育てを。。。
雨が続くと、ツバメの親が採ってくるエサが少なくなる。
するとどうなるか、自然には平等はなく兄弟の中で生き残れない確率が高いものを淘汰していく。
つまり親や兄弟が本能的に一番育ちの悪い子を落とす。野生=本能は厳しい。
長雨が始まったころ、近所のおじいさんから一匹落ちていて巣に戻したことを聞いていた。
雨も落ち着いてきた7/4の日曜、まだ肌寒い朝に、ツバメのヒナが落ちて泣いているのに気が付いた。
「これがおじいさんの言っていたツバメか」
私も巣に戻そうとヒナに触れたとき、鳴き声の大きさに比べるとヒナの体温が低いことに驚いてしまった。
息が荒く、体温が低いこのヒナが巣に戻しても生き残るとは思えなく、
せめて、ご近所に生まれたからには私が看取ってやるつもりで家に迎え入れた。

(拾ったばかりのヒナ。毛羽立っていて、目もうつろ)
エサを近づけても食べないヒナの口を無理やり開け餌を押し込んでいると
なんとなく食欲も出てきたが、まだまだぐったりしていることが多く。。。

(食べている以外は寝てばかりいるヒナ。ぬいぐるみはヒナが一人では寂しいだろうと
スタッフが家から持ってきてくれたムーミンのご先祖様です)
看護師さんをはじめ、仕事中は時間を見つけてはスタッフがエサを与えてくれました。

(家に来て7日目。みんなの協力で、ようやくしっかりとしてきた)
この時期のヒナは15分に一回はエサをねだってくるので、休みはどこにも出かけられず。。。
お昼休みにスタッフがエサをやってくれている時は、
まるで保育園に子供を預ける気持ちになり、つかの間の解放感を味わせてくれる
スタッフが保母さんのように見え拝んでいました。
そして偶然この時期は”めまいのWeb講習”を受け試験を受けなければならず、
エサをやりながら講習のビデオをみて、最後のweb試験、それさえもエサやりながら。。。
無事合格したので、子育てしながらでも資格ってとれるかもしれませんよ。余談ですが。
そして、これなら衰弱死することもないだろうと、名前を付けることにした。
外の景色を見て風が当たった時に気持ちよさそうな顔をしたのと、
風を切って飛んで欲しい(ツバメだし)という願いを込めて”ふう”にした。

(ぬいぐるみの上に乗るのが好きな”ふう”です)
この後も私とふうの生活は続くのですが、それはまたお盆にでも。。。