院長ブログ

2020.03.20

サクラサイタ

コロナの死亡数が中国を越えたイタリアでは、今年の医学部卒業生は国家試験は無し!
全員合格!8カ月前倒しで勤務へ。というニュースを数日前見ました。
我が身に照らし合わせると8か月前は夏休みで、
ようやく卒業試験、国家試験の準備を始めたところでした。
国家試験なし!はうれしかったかもしれないが、知識なしにいきなり最前線。
まるで特攻隊ではないですか!!嫌かもしれない。。。

グレイズアナトミー(副題:恋の解剖学)という医療ドラマをご存じだろうか?
研修医の女医たちが集まって、仕事に恋にうまくいかないことを愚痴るシーンがあった。
そのうちの一人の「私たちは、私たちはね、メスを持った高校生なのよ」というセリフに
飲んでいたコーヒーを吹き出してしまったけど。
さて、仕事に恋に悩む女医時代は過ごしてはいないが、
将来と女性に悩む(?)女学生時代を過ごしてはいた。
まだ何にもわからない学生の時、何年くらい働いたら結婚しようとか、子供は何人とか、
数人でよくありがちな雑談をしていたときに、
「私たちが医者になるまで、一人につき”億”近くのお金が投入されているんだって。
その借りを考えると、何年か働いて、後は子育てとかはどうなんだろう」と言ったらしい。
空気読めない人ですね。
その中の一人と私が開業し、彼女も実家を継いでやっと久しぶりに会う機会に
「子供できて、離婚して、仕事もあって、つらいときもあったけど、
釣田のあの時のセリフを思いだして、頑張ったよ」と言ってくれた。
深く考えずに言ったのに、彼女の子育ての何らかの力になっていたんだと知って何とも言えない気持ちになった。
彼女の一人娘が来年、私たちの母校に入学し彼女の跡を継ぐ予定だという。
私も、もう国に借りは返したかな。

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桜は間に合わなかったのでチューリップで。
富山県の花でもあります。